7月より9月まで、朝日カルチャーセンター新宿校にて、「美術解剖学入門 人体描写のスキルアップ」を開講いたします。今回は、上肢と下肢を詳しく見ていきます。
上肢と下肢は、まとめて四肢とも言います。また、それらを構成する骨格と筋とをまとめて運動器系と分類もされます。日常会話では腕や脚(あし、きゃく)という部分ですが、それをあえて上肢と下肢と言うのは、そこには腕脚という一般的解釈を超えた広がりをそれらが持っているからに他なりません。その広がりとは、言わば腕脚の”根っこ”のことで、それらは思いのほか広く体幹へ延びています。体の形状とその運動による変形を明確に認識するには、この”根っこ”を知ることが有効です。私たちの腕は本当に肩から始まっているの?お尻は体、それとも脚?これら素朴な疑問の答えを形状に乗っ取って知ることで、運動と連携した形状変化を明確に認識できるようになります。
2回のヌードモデルセッションでは、個人や性別による違いを見ます。実際の体を前にして構造を確認していきます。
自分自身でもありながら捉えどころの難しい人体を、解剖学的な視点でその見方を示します。従来の輪郭線や陰影による体の見方に構造的視点を加えることが目的です。