2014年9月7日日曜日

レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図「腕と背中の筋」1508年


全体図(18.9×13.7㎝)

背中の筋を拡大
1 僧帽筋
2 三角筋
3 棘下筋
4 大円筋
5 聴診三角
6 広背筋に覆われた胸郭部
7 前鋸筋を覆う広背筋
8 胸最長筋と腰腸肋筋
9 外腹斜筋
10 外腹斜筋の胸郭部
11 多裂筋
12 中殿筋
13 大殿筋
14 大腿筋膜張筋 
白色 非筋肉部


 1の僧帽筋の脊柱部にある白抜き部は第7頸椎棘突起であり、その周囲の腱膜部位(腱鏡とも)でもある。2の三角筋はその隆起が肩峰部と肩甲棘部とに分けられている。5は僧帽筋、肩甲骨内側縁、広背筋上縁の間に構成される「聴診三角」に相当するが、筋隆起のように膨らみとして表されている。7は再浅部は広背筋だが、外側への膨らみはその深部にある前鋸筋も寄与している。8の大きな膨らみは、その内側が胸最長筋で外側が腰腸肋筋のそれぞれ筋腹に相当する。

 男性の背中に浮き上がる筋の凹凸を、誇張した量として表現している。陰影腺は筋線維の方向を考慮せず、単純に量感を表すのに有効なクロスハッチングを用いている。個々の膨らみは一様に曲線的で、内側から膨れあがった風船のような印象を見る者に与える。