2018年10月4日木曜日

機械となり柔軟性を失う

   オフィス街のコンビニは昼どきになると多くの会社員が詰めかけるので、レジ待ちの列を長くしないために、そして待っている客をイラつかせないためにも、レジ打ちが早くなる。とあるコンビニにレジ打ちと客さばきが早い女性店員がいる。昼どきのせっかちな会社員と競り合っているからか、今やそのレジさばきが早過ぎて、逆に客を急かしているほどだ。釣り銭を渡しながら「次のお客様どうぞ〜!」と言うので、こちらは釣り銭を財布に入れる暇もなく場を開けなければならない。もはや店員自身の速さ記録打ち立ての訓練に付き合わされているような感覚にもなる。
   いつもは商品だけを清算しているところを、今回は支払い用紙も一緒に渡してSuicaで支払うと言ったら、それが速さばきのリズムを乱したのか上手くいかない。現金もあったのでそちらで支払うことにすると、今度は出た釣り銭を台の上に落としてしまう。いつもの迅速さはすっかり消え去り、すっかりギクシャクした一連の動きとなってしまっていた。
   速さを追求するうちに作業の柔軟性を失っている様子は、自らを特定の作業だけに特化した機械にしているようにも見えた。確かに、速さと正確さだけが求められる作業を突き詰めれば人間性は必要なく、機械化や自動化と相性が良い。レジ打ち業務はそう遠くない将来には無くなっているのだろう。

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