美術解剖学入門のレクチャーを開催いたします。
美術愛好家の間でさえ、よく知られているとは言い難い「美術解剖学」というジャンル。
一方で、美術系の教育機関の多くでこの名前の講義などが行われており、美術系出身者には知名度があります。
この事実は、美術解剖学が、芸術や造形に関わる専門家に向けて特化した科目であることを示しています。
また、意外にもその歴史は長く、直接的な起源は15世紀の初期イタリア・ルネサンスまで遡るのです。芸術家自らの欲求から生まれた美術解剖学は、人体や動物を表現するならば必修というものになりました。ルネサンスという時代性が大きく関係していたことも事実ですが、同時代に同じく華開いた解剖学も関係していたのです。
時が流れ文明開化の頃、極東日本にもついに美術解剖学が上陸しました。憧れの西洋美術を描くためには必修であると考えられました。そして、大学の正規科目に加えられ現在に至っています。
今回の講義では、「入門」と致しまして、「美術解剖学」の目的と、その起こりから現在までの歴史、そして美術と解剖学の関連を追います。さらに、”美術解剖学的芸術鑑賞法”もご紹介します!
美術解剖学という”造形家の虎の巻”を紐解くことで、今までと違う側面からより深く美術作品を理解することができるでしょう。なぜならそれは、作家が人体を見つめたのと同じ視点なのですから。
当講座は終了しました。