芸術作品群は、まるでその作家の守護神たちのように見える。
縁あって、素晴らしい芸術家と話しをする機会に恵まれている。いつも心を開いて気さくに話して下さる。そういう時は、彼の作品が近くにあるわけではないから、共通の話題などで気軽に話してしまったりもするのだが、作品を目の当たりにするとハッと思い出して、畏怖感に似た感情が沸き起こる。
1つ1つの作品は自律しているかのようだ。それら作品群は、集団となって、その人を芸術家たらしめている。彼の巨きさは、紛れもなくその作品群によって担保されているのである。
それら自律した存在は、しかし、全てが彼自身の存在から生み出されている。自ら生み出した作品たちによって守られるそれは、女王蜂や女王蟻を思い出させる。
話している時、作品が同じ空間に無くとも、”守護神たち”の存在は周囲に漂っている。彼の言葉、視線、仕草がそれを感じさせる。自らを守り高める存在を作り生み出す能力が、その人をあれだけ優しい人柄でいる事を可能にしているのだろう。
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