2016年2月2日火曜日

告知 「絵を描く人のための 美術解剖学入門 頭頸部・男性・女性」開講

 新宿朝日カルチャーセンターにて、2月6日(土)から全3回の講座が始まります。
 1回目のテーマは頭頸部。2回目は男性。3回目は女性。全ての回にモデルが入ります。

 なぜ、1回目が頭頸部(くびから上)かと言うと、前回までの実技講座で、体幹と上肢と下肢を既にテーマとしたからです。毎回、どこかの部位をテーマとすることでピントを合わせた内容にしようと思っています。

 長く受講されている方から、一段階上がった内容のコースも欲しいと意見を頂いたことがあり、そのような中上級者コースもいつか実現できればと考えています。

 さて、今回の1回目のテーマである頭頸部は、ある意味、特殊な部位です。芸術でも肖像画や首像彫刻のように、この頭頸部だけを表したものが数多くあります。それはひとえに顔を作りたいからです。人類にとって顔はそれだけでその人の全てを象徴する部位であり、それだけ「観る目」も厳しくなります。
 顔を描こうとして、「かお」しか見ないと決して満足いくものにはなりません。「かお」は形態のユニットです。私たちはまず、ユニットを形成している部品の構造を明確にしなければなりません。このユニットとは、単に目、鼻、口の事を差しているのではありません。それらもまた「め」、「はな」、「くち」として見てしまうと概念的な仕上がりにしか到達できないでしょう。ここで言うユニットは、骨格(頭蓋)、筋肉、そして皮膚の三者を跨いでできる局所構造のことで、目や口などの概念的部位をも跨いでいます。
 形態としての顔は、それらユニットの組み合わせの結果に過ぎないとも言えるものです。

 顔は、テーマの頭頸部でいう”頭”に所属しています。次は”頸”です。「くび」と読みますがなぜ「首」ではないかというと、この首という漢字はそれだけで頭頸部全体を指し示すものだからです。つまり、頸部は頭と胸の間の細い部位だけを指し示しています。頸部は生物の部位としても興味深い部位ですが、芸術表現においても重要です。重要であるということは、以外と捉えにくいという事を意味してもいます。頸部はどうしても”細い円柱”として見えてしまうことが、造形の足かせになっているのかもしれません。頸と頭部の境界がどこか、ぱっと思い浮かぶでしょうか。頸はどこから胸部へと移行しているのかイメージできるでしょうか。頭の向きを変えたときに頸部はどう変形するのか知っていますか?

 顔をしっかりと頭部の構造内に落ち着かせるには、頸部との連結の表現が重要です。頸部はその大地である胸部へ安定して植わっていなければなりません。これら一連の構造を安定させるために、解剖学的構造を通して実際のモデルを観察し自ら描いていく中で理解を深めることが、この講座の目的です。

 講座の詳細はここをクリックして下さい。

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