2013年10月15日火曜日

美しいもの


美は外にあるのではない。それを感じるあなたの内にある。美を感じるとき、あなたはそれを手にしている。

けれども、それを保持することはできない。流れ落ちる水に手を差し伸べているようだ。だから、いつもそれを欲するようになる。

内にある、美の感受性を呼び起こしてくれるもの。それをひとは美しいものと呼ぶ。

美しいものはいろいろあるが、ひとにとって、最も美しいものは何か、お分かりでしょう。

2013年10月11日金曜日

(告知)秋の特別講座 美術解剖学 上肢(腕)徹底攻略ゼミ 開催


 10月20日(日)に新宿美術学院にて、美大受験生を対象とした特別講座を開催します。

 講座は上肢に的を絞った内容となります。上肢と手の構造的な理解を深めることで、その表現にもより説得力を与えることが可能です。

 肢とは、つまりは腕と手のことです。それを上肢と呼ぶのには訳があります。腕といえば、「胴体の肩から先で棒状に飛び出て尖端は手の指で終わる身体部位」と言い表せますが、上肢はそれだけではないのです。上肢は腕の付け根の肩から首周り、さらには上半身の表面のほとんどの領域まで含まれます。これはつまり、それらが全て腕の運動と関係を持ち、その姿勢と共に形状が変化しうることを意味しています。すなわち、胴と腕の関係性は、肩で部品が連結された人形とは全く異なるものなのです。人体観察と表現において、この上肢領域の正しい把握はとても大事です。
 また、肘から手までの間には、人体ではここにしかない特殊な捻れ運動があり、それが私たちの手の多用な運動を生み出しています。そして手首の先には平たい手のひらがあり、そこから末端へ細い5本の骨っぽい棒-つまり指-が生えているわけです。しかし、手のひらの中には実は指がもう一関節分埋もれています。その埋もれた指と関節の動きによって、手はより複雑な”姿勢”を取ることができるのです。
 これまで慣れ親しんだ「手」、「指」という概念的見方はひとまず脇に置きましょう。構造から見なおし、新鮮な目で自らの手を再発見しましょう。

 らに手は、顔と並んで意思伝達と感情表現の重要な部位でもあります。私たちは、手と指のありよう-ジェスチャー-から、様々な心情を読み取ることができます。当然それは、視覚芸術においても重要な要素であり、事実多くの芸術作品の登場人物が手でストーリーを語りかけているのです。

 講座で、上肢と手の形状を捉える目を養います。それはきっとあなたの表現力を押し上げる推進力になるでしょう。

当講座は終了しました。

2013年9月28日土曜日

言葉の無能


人間は言葉を持った。けれどそれは心の全てを描写しない。言葉が巧みになればなるほど感情の真実から遠ざかる。

さえずりで語りあう鳥たちをみよ。だから我々も歌うことで言葉の無能を補っているのだ。

2013年9月7日土曜日

告知 「人体描写のスキルアップ - 美術解剖学入門」 ”男性版” 開催

 義と実技演習によって解剖学を根拠とした構造的な人体の捉え方を学ぶ本講座も、お陰様で秋冬も開講することになりました。

 ードクロッキーは初回の女性モデルから変わって、今回は男性モデルとなります。「ヌード」と聞くと女性を思い浮かべるものですが、構造を観察するという目的においては皮下脂肪が少なく筋量の多い男性がより適しています。

 女性も男性も骨格と筋肉は全く同じです。性差はプロポーションの違いが生み出しています。女性を描き慣れている方も、男性ヌードを観察することで、互いの形状の差違が改めて浮き上がって見えてくるでしょう。

 空気も涼しくなり、制作意欲も高まる秋。講義とクロッキーを通して、人体という自然物を根拠だって見ることのできる目を養いましょう。

 当講座は終了しました。

2013年8月28日水曜日

《10月5日講座告知》美術解剖学から見た ミケランジェロの人体表現


生前より「神のごとき」と言われたイタリア・ルネサンスの天才芸術家ミケランジェロ。その展覧会がこの秋、東京上野の国立西洋美術館にて開催されます。
 ミケランジェロと言えば、肉体表現。彫刻はもちろんのこと、絵画作品でさえ手で触れられるのではないかと錯覚するほどの実在感を持っています。それは、彼があくまでも「彫刻家の目」で対象を観察していたことを示しています。そして、その実在性を確保するために最も重要な要素のひとつが、表現された人体の解剖学的正確性です。 ミケランジェロが活躍した時代は、芸術とともに解剖学もまた急速に発展しました。そして、ミケランジェロなどの芸術家たちは、その先端的領域をいち早く人体表現へと取り入れたのです。それは、彼らが目指す古代ローマやギリシアへの到達し得ない憧れへの代替手段を越えて、それまでにない新たな領域へと芸術を引き上げることになります。
 人体をその内部構造から理解し、再構築していったミケランジェロ。彼の作品をより深く理解し、楽しむには、そこに表現された解剖学的構造を読み取ることも不可欠です。しかし、これまでミケランジェロの人体表現を解剖学的な視点で鑑賞するという指摘はほとんどされていません。



 今回、展覧会が開催されることを機に、ミケランジェロが人体に何を見たのか、どのような解剖学的理解をしていたのかをその作品群から紐解きます。

当講座は終了しました。