2013年8月28日水曜日

《10月5日講座告知》美術解剖学から見た ミケランジェロの人体表現


生前より「神のごとき」と言われたイタリア・ルネサンスの天才芸術家ミケランジェロ。その展覧会がこの秋、東京上野の国立西洋美術館にて開催されます。
 ミケランジェロと言えば、肉体表現。彫刻はもちろんのこと、絵画作品でさえ手で触れられるのではないかと錯覚するほどの実在感を持っています。それは、彼があくまでも「彫刻家の目」で対象を観察していたことを示しています。そして、その実在性を確保するために最も重要な要素のひとつが、表現された人体の解剖学的正確性です。 ミケランジェロが活躍した時代は、芸術とともに解剖学もまた急速に発展しました。そして、ミケランジェロなどの芸術家たちは、その先端的領域をいち早く人体表現へと取り入れたのです。それは、彼らが目指す古代ローマやギリシアへの到達し得ない憧れへの代替手段を越えて、それまでにない新たな領域へと芸術を引き上げることになります。
 人体をその内部構造から理解し、再構築していったミケランジェロ。彼の作品をより深く理解し、楽しむには、そこに表現された解剖学的構造を読み取ることも不可欠です。しかし、これまでミケランジェロの人体表現を解剖学的な視点で鑑賞するという指摘はほとんどされていません。



 今回、展覧会が開催されることを機に、ミケランジェロが人体に何を見たのか、どのような解剖学的理解をしていたのかをその作品群から紐解きます。

当講座は終了しました。