2016年7月4日月曜日

楽しい解剖学アプリComplete Anatomy

 アップル社から時々ダイレクトメールが届く。いつもはタイトルだけ見てそのまま消去しているが、たまたま内容に目を通したメールが、Apple Design Award受賞のアプリを紹介するものだった。さっとスクロールするとそこに解剖学のアプリが。試しにダウンロードしたのが、Complete Anatomyというもので、無料だと骨格などが見えるだけだ。ただ、無効になっているメニューを見ると全身のほぼ全ての器官が網羅されている。そして、紹介ムービーを見るとなかなか幅広い操作性をウリにしている。また、グラフィックも現在販売中の解剖学アプリでは最も美しいだろう。全ての機能を使うには6000円支払わなければならない。数日間は無料のままにしていたが、結局他も試したくなって購入した。

 なるほど、「デザイン賞」を受賞した、というのがよく分かる気がする。何と言ってもユーザーインターフェースがよく考えられている。またネットワーク機能も重視していて、自分で組み上げたインストラクションを他者と共有することができる。それ以外にもとにかく機能が豊富で、よくここまで作り込んだと感心する。受賞ももっともだ。

 ただ、解剖学で最も重要な、構造描写に少々ほころびがある。もちろん全てにおいて完璧なものなどないだろうが、こと解剖学は形態の曖昧さを嫌う学問である。その形態描写に曖昧であったり明らかな間違いが散見されて、そこは残念に思う。それを許してしまうのならば、インターフェースが良くできた趣味の解剖学ソフトということになってしまうからだ。一通り解剖学を学んだ者で間違いが分かるのならばこれだけ使い勝手が良ければ目を瞑ることができるが、初学者がこのアプリをメインに学んでしまうと間違いを知るという事になってしまうので、そう思うと問題ではある。
 そういう私もこのアプリで描写されている全てが頭に入っているわけもないので、「構造はすこし疑いながら」使うことにしている。

 アプリが従来の書籍と違う点は購入後もアップデートされていくことだ。今問題があるところも、ユーザーからの指摘などを受けて今後修正されていくかも知れない。

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